【書評】知のソフトウェア

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抜粋

 

くだらない本を読み焦る。
焦りは悪いものではない。リザーブ能力が役立つ
リザーブ能力から平均時処理能力へと転化する。

無意識を信じろ。興味ある事柄に目が止まり意識レベルまで引き上げてくれる。


単純時系列原材料
内容別コピーなどを撮り作成
原材料はとっておく。コピーを調理

 

迷ったら捨てる思い切りが良い

プロのジャーナリストは毎日新聞を読んでいる。

老人と本
本が読めない金がない
金持ちになる
金持ちになった。年老いてる気力がない。若いうちに読めばよかった。
(俺は若いうちは遊びたい。年取ってからでも本は読めるし書ける。そうじゃないのか?人によるのか?)

人生の目的を設定したまでは良かったが手段に飲み込まれた。

読者は精神的食事

図書館で本を借りるな。
本は買え。好きなときに読め。

(俺は思う。本を読む事自体が必要な人間には図書館の存在は大きい。だから本が買えなかったら図書館で借りて読むのも悪い手段ではない。それよりも何よりも悪いのはせっかく芽生えた知的好奇心を安直な方法でないがしろにしてしまう事だ。金銭的に問題があるならば読んだ本をノートにメモしておく等といった方法を取ればいい。改めて懐に余裕ができた時に思い出を集める様に書店に赴き購入すればいい。それは質入れした品を取り返す様な同時にそれほど大切な品を質に入れた自分を恥じる複雑な心境であろう。)

身銭を切ろう

初めからノートはとらない。

人間の無意識を信じろ。

(これは、脳研究者である池谷氏も言っていたように記憶する。)

情報が権力

大企業には調査部がある。

問題を正しく立てられたら、答えを半分見出したも同然。

質問するものは質問されるものとなる。

プラトンの対話篇

知ったかぶりは発展性を殺してしまう。

とるに足るやつとは話が通じるやつ
撞木と鐘
鐘は叩き方で鳴り方が違う。

これを知るものはこれを好むものにしかず。これを好む者はこれを楽しむ者にしかず。

論語

ギリシャ人講師をアルバイトで稼いだ金で雇う。

 

ユーレカ

立花隆は捨てるのが上手い。捨てると言うよりそれしかない状態だと直観する力?)

時系列年表視覚化
人は他人のものは素早く客観的判断ができる。

(読書感想文がもたらすものは読者離れ。読者の楽しさを教えるものではない。)

 

 

感想

問いかける人間は同時に問いかけられている。という一文は心に残った。質問される側の人間の気持ちに立てば相手がどのレベルまでの知識を事前に把握しているのかその程度により話す内容は異なる。普段仕事を抱えている人間に時間を割いて取材と言う時間を頂いている。その貴重な時間に見合う質問や疑問を事前準備の段階で質問者側が用意するのが誠実さというものだ。

 

スクラップを作成するという話が興味深かかった。この本が出版されたのが1984年とのこと、今の時代の様にエバノートに代表される様にインターネット上での情報の保管が浸透していない時代であったであろう。だからスクラップを作成することは紙媒体から電子媒体に移行していることであろう。しかしそれでも独自の項目分けなど情報を分類する人間が独自にラベル分けする事を肯定する一言は自分自身に対して良い指針となった。私自身もラベル分けがバラエティーに飛んでいるのでこんな分け方ではたして良いのかと常日頃心配していた。でもそこから新しい項目であったりラベルの定義が生まれそれはもはや創作に近いという記述もあった。なんだかヒップホップのサンプリングの様な要素を感じた。確かにサンプリングという単語も抽出とか抜き出すという意味をもつ事を考えて妙に納得した。

 

立花氏がどの様な人間かはあまり把握していないが本書でも書かれている通り文面を見ると人柄や個性が溢れ出ている。私は立花氏の文章から誠実さを感じた。それはわからない事をわからないと言える人間の清さや同時に知識をとことん吸収してみせようという種の貪欲さ。吸収した上で真実を明るみに出そうという正義感ないし使命感に溢れた人間性を感じた。それは本書の終盤にも現れている。取材で得たコメントをそのまま出版物として扱うことは編集し出版する側の人間の責任逃れになる。仕事に対してここまで誠実に向き合える人間がいるということは私の心をなによりも明るくした。