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【小説】ATTACK 01

駐車場に向かう。階段を1つ2つ下りていく。

 

女は夕飯は何が良いかと私に聞いてくる。

 

肉が食べたい。

 

昔からあまり食というものにこだわりが持てない性分なのだ。

 

口から入って養分を吸収して尻から出る。

 

その条件を満たせるものであればファーストフードでも菓子パンでも構わない。

 

この女がいなければそれほど長く生きてはいけないであろう。

 

ポケットに手を入れ車のキーに触れる。

 

ふと車の方を見渡すと見慣れない光景が広がっていた。

 

男が一人車の横にしゃがみ込んでいる。

 

めんどくさい事になりそうだな。

 

男はふとそんな心境になった。

 

勘というモノをアテにしていないわけではない。むしろここぞというときには勘を頼りに生きてきた。

 

外は夕暮れどき。

 

これがもしも晴天の空の下だったらここまで勘を働かすことはなかったであろう。

 

車の横でしゃがみこむ男の身体はじりじりと訪れる闇夜に同化し始めていた。

 

女はまだ男の存在に気付いてはいないみたいだ。

 

なあ あれが見えるか?

 

黒々と塗りたくられた瞼の下でカラーコンタクトの影響からか、国籍不明の女の瞳が男の指に誘導された。

 

女の眉間にシワが描かれ瞳は対象物とピントを合わせた。